1: マイソールのネコ ★ 2019/08/30(金) 19:24:05.57 ID:Hy82nQGs9
「映画 聲の形」のホームページ
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/08/30/20190830k0000m040071000p/9.jpg
京都アニメーションには「これ以上の手話アニメは現れない」とも言われる作品がある。「映画 聲(こえ)の形」。キャラクターデザインを担当した西屋太志さん(37)をはじめ、放火殺人事件で命を奪われた人が多く関わった。制作スタッフは手話の繊細な動きを再現するため「手の表情集」を作成し、何度も上京して聴覚障害者団体の監修を受けながら改善を重ねたといい、感情表現にこだわる京アニの代表作となっている。
2016年に公開された「聲の形」は、耳の聞こえない少女をいじめたことで周囲から孤立した少年が、高校生になって再び少女に出会うストーリー。友情や傷ついた心の再生、思春期の気持ちの揺らぎを描いている。
スタッフは、それぞれの登場人物と年齢が近く、性別や障害の有無が共通する人たちに、物語を手話などで演じてもらい、それを前後左右、時には上下、斜めなどからも動画で撮影して作画に生かした。西屋さんは手の絵ばかりを集めた「手の表情集」を作って共有し、手を表情豊かに描く工夫をしたという。
手話の監修をした東京都聴覚障害者連盟事務局長の越智大輔さん(62)の元には、山田尚子監督やスタッフらが繰り返し訪れた。アニメでは、動画担当者が線を少しずつずらした絵を何枚も描き、連続して見せることで動きを表現する。「手話を描いた動画を最初に見た時は、動きが滑らか過ぎると違和感を覚えた。実際は、一つの手話から次の手話に移る時にわずかな間があるので、間の部分に同じ絵のコマを2、3枚入れてもらった。一緒に苦労したのも懐かしい思い出だ」と越智さんは振り返る。
描き直しも一度や二度ではなかった。越智さんは「特に『約束』という手話にはこだわった。速さや手の角度、指切りをする力強さなどで、2人の主人公の気持ちがわかるように、何度も描き直してもらった」と話す。
「手というパーツにはキャラクターの感情が映し出される」。作品のガイドブックに収録されたインタビューで、西屋さんは語っていた。「普通に描くだけでもとても気を使うが、今回は主題の一つでもあるので特に意識をして魅力的に描きたいと思っていました」
事件で亡くなったと27日に公表された丸子達就(たつなり)さん(31)と森崎志保さん(27)は原画、石田敦志さん(31)は動画、石田奈央美さん(49)は色彩設計を担当した。別のアニメでも手話の監修をしたことがある越智さんは「手話そのものだけでなく、手話の影を見せるという、こちらが想定していなかった難度の高い表現も盛り込んでくれた。これ以上の手話アニメは出てこないのではないか」と悼んだ。【菅沼舞】
毎日新聞2019年8月30日 11時25分(最終更新 8月30日 13時05分)
https://mainichi.jp/articles/20190830/k00/00m/040/073000c?inb=ra
【【京アニ】「最高の手話アニメ」これからも心揺らす 京アニ「聲の形」一瞬の間まで描き切る 「これ以上の手話アニメは現れない」 】の続きを読む
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/08/30/20190830k0000m040071000p/9.jpg
京都アニメーションには「これ以上の手話アニメは現れない」とも言われる作品がある。「映画 聲(こえ)の形」。キャラクターデザインを担当した西屋太志さん(37)をはじめ、放火殺人事件で命を奪われた人が多く関わった。制作スタッフは手話の繊細な動きを再現するため「手の表情集」を作成し、何度も上京して聴覚障害者団体の監修を受けながら改善を重ねたといい、感情表現にこだわる京アニの代表作となっている。
2016年に公開された「聲の形」は、耳の聞こえない少女をいじめたことで周囲から孤立した少年が、高校生になって再び少女に出会うストーリー。友情や傷ついた心の再生、思春期の気持ちの揺らぎを描いている。
スタッフは、それぞれの登場人物と年齢が近く、性別や障害の有無が共通する人たちに、物語を手話などで演じてもらい、それを前後左右、時には上下、斜めなどからも動画で撮影して作画に生かした。西屋さんは手の絵ばかりを集めた「手の表情集」を作って共有し、手を表情豊かに描く工夫をしたという。
手話の監修をした東京都聴覚障害者連盟事務局長の越智大輔さん(62)の元には、山田尚子監督やスタッフらが繰り返し訪れた。アニメでは、動画担当者が線を少しずつずらした絵を何枚も描き、連続して見せることで動きを表現する。「手話を描いた動画を最初に見た時は、動きが滑らか過ぎると違和感を覚えた。実際は、一つの手話から次の手話に移る時にわずかな間があるので、間の部分に同じ絵のコマを2、3枚入れてもらった。一緒に苦労したのも懐かしい思い出だ」と越智さんは振り返る。
描き直しも一度や二度ではなかった。越智さんは「特に『約束』という手話にはこだわった。速さや手の角度、指切りをする力強さなどで、2人の主人公の気持ちがわかるように、何度も描き直してもらった」と話す。
「手というパーツにはキャラクターの感情が映し出される」。作品のガイドブックに収録されたインタビューで、西屋さんは語っていた。「普通に描くだけでもとても気を使うが、今回は主題の一つでもあるので特に意識をして魅力的に描きたいと思っていました」
事件で亡くなったと27日に公表された丸子達就(たつなり)さん(31)と森崎志保さん(27)は原画、石田敦志さん(31)は動画、石田奈央美さん(49)は色彩設計を担当した。別のアニメでも手話の監修をしたことがある越智さんは「手話そのものだけでなく、手話の影を見せるという、こちらが想定していなかった難度の高い表現も盛り込んでくれた。これ以上の手話アニメは出てこないのではないか」と悼んだ。【菅沼舞】
毎日新聞2019年8月30日 11時25分(最終更新 8月30日 13時05分)
https://mainichi.jp/articles/20190830/k00/00m/040/073000c?inb=ra